更年期障害のお口への影響
更年期の女性の場合、閉経が近づいてくると女性ホルモンの一つであるエストロゲンの量が急激に減少します。ホルモンバランスが大きく崩れることになり、「更年期障害」と呼ばれる様々な症状が出てきます。更年期障害によって出現するお口の症状をみてみましょう。
更年期になると、唾液の分泌が減ります。女性はエストロゲンの減少により男性に比べてさらに唾液の分泌が減ります。唾液にはむし歯菌が作る酸に抵抗する作用があるので、唾液量が減少すると、むし歯になりやすくなります。
また、更年期障害の一つに骨が弱くなる「骨粗鬆症」があります。もし、骨粗鬆症になってしまうと、歯を支えている骨も弱くなってしまいます。
さらに唾液の分泌の減少により、歯周病にかかるリスクも高くなります。歯周病にかかった上に骨粗鬆症になってしまったら、歯周病はさらに悪化してしまいます。
更年期に大切な役割をはたす唾液。それを増やすポイントは3つ「よく噛む」、「唾液腺マッサージ」、「舌の体操」です。
1、よく噛む
噛み応えのある食材をとる、またはシュガーレスガム・キシリトールガムを噛む。よく噛むことが唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促します。
2、唾液腺マッサージ
耳下腺:耳たぶの下に人差し指を当てて、グルグル回すように押す。
顎下腺:親指を顎の骨の内側の柔らかい部分に当てて、耳の下から顎下までを押す。
舌下腺:両指の親指で顎の真下から舌を突き上げるようにゆっくり押す。
3、舌の体操
舌を出して上下左右に動かす。
口を閉じて舌で左右の頬を押す。
口を閉じて舌で上下の唇を押す。
更年期になっても歯に悪い症状が出ないようにするためには、やはり定期的なメンテナンスが一番大切です。症状が出てからではなく、症状が出る前に歯科医院を受診しましょう。
女性特有の悩みなどは、なかなか男性歯科医師に相談しにくいと思います。池田歯科では女性歯科医師がおりますので、妊娠、出産、更年期など女性特有の悩みについてもご相談ください。