根面う蝕に気をつけましょう〜大人もフッ素でむし歯予防〜
根面う蝕とは、歯周病・強く磨き過ぎ・歯ぎしり・噛み合わせ不良・加齢などで歯ぐきが下がることによって、歯の根っこの表面(根面)が露出したところにできるむし歯のことです。
根面はエナメル質とは違い非常に脆く柔らかいので、根面が露出するとそれまでむし歯ができにくかった人も、急にむし歯ができることがあります。
また根面は神経までの距離が近いため、早い段階でしみることがあり、治療の際に神経を取らなければならなくなることもあります。
では、どのような人が根面う蝕になりやすいのでしょうか?
それは中高年の人たちなんです。
中高年〜高齢者は唾液の分泌量が減っていることも多く、唾液の持つ殺菌作用、浄化作用、初期むし歯を修復する作用が失われ、むし歯ができやすい環境にあるので、より注意が必要です。
根面う蝕を作らないためには、以下のことに気をつけてください。
①フッ素入りの歯磨き粉、洗口剤を使用する
②歯間ブラシを併用する
③歯科医院で定期的なクリーニングを受ける
④適切な力加減で歯磨きをする
⑤食生活の改善
⑥唾液量が少なく、乾燥がある場合は水分をこまめに補給し、唾液腺マッサージで唾液の分泌を促す
⑥以外は前回のブログで書いたむし歯の予防方法と同じです。若年者の人はむし歯予防と歯周病予防で歯ぐきが退縮しないように気をつければ、根面う蝕の予防にもなります。
フッ素でむし歯予防と聞くと子供たちのむし歯予防と思われる方も多いと思いますが、高齢者の根面う蝕にも非常に効果があります。
フッ素塗布の効果は
①むし歯予防や歯の再石灰化
②知覚過敏の原因にもなる根面のコーティング効果
③食いしばりなどにより生じた歯の微細なヒビの補修効果
などがあります。
今年4月の保険改定より、65歳以上の方は保険診療でフッ化物塗布を受けることができるようになりました。根面う蝕になりやすい方にはおすすめです。