プラセンタと歯科の関係
プラセンタってご存知でしょうか?
最近では化粧品や美容ドリンクなどにも入っている成分です。健康志向やアンチエイジング志向が高まっているなかで、注目されているのがプラセンタです。
プラセンタとは、赤ちゃんの母体内での成長をつかさどる胎盤からの抽出物を主成分とした注射薬やサプリメントのことで、もともと肝炎の薬として厚生労働省の認可をうけ、安全性が保障されたものです。
胎盤には、タンバク質、脂肪、糖質の三大栄養素をはじめ、十数種類のアミノ酸や多種のビタミン・ミネラル、100種類を超える酵素など、多数の生理活性物質が含まれています。
つづいてプラセンタと歯科の関係ですが、臨床での実績は意外に古く、40年以上前日本大学歯学部で歯肉炎と歯槽膿漏の患者さんにプラセンタの歯肉注射を行い、顕著な効果が認められたと報告されています。
歯石や歯垢をきれいに除去し、食後に必ず歯磨きをしているにも関わらず、歯周病が治らないという患者さんもいます。このような患者さんにプラセンタ注射を行うと、歯ぐきの炎症が消えたり、やせた歯茎がかいふくしたりして、歯周病の改善がみられるケースがあります。歯垢がなく、メンテナンスもきちんとしているのに歯肉炎が治らない、更年期の女性や妊娠中の女性でこうしたケースがありますが、免疫関係か過度のストレスまたはホルモンバランスの異常などが考えられます。
このように患者さんにプラセンタ療法を行ったところ、顕著な改善が見られています。また抜歯やインプラントの術後に傷の回復が早いことも実証されています。そのほかにも、口内炎や口腔乾燥症、味覚障害、舌痛症などの口腔疾患に効果を発揮する可能性があります。
従来の歯周病治療の歯ブラシや歯石とりによる外側からのアプローチに加え、プラセンタによる体内からのアプローチを併用するとより効果的だろうとおもいます。