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オーラル・フレイル

「オーラル・フレイル」という言葉をご存知ですか?

​最近注目されている新概念になります。今回は、この「オーラル・フレイル」のご紹介です。

​゛人は足から老いる”とよく言われています。若いときに平気だった階段が段々辛くなったりすると、足腰が弱くなったと体感して老いを感じ始める人も少なくはないと思います。その老いに負けないためにウォーキングなどで足腰を鍛え続けることの大切さは、世間に認識されています。

​では、゛人は口から老いる”ということはご存知ですか?多くの人が初めて聞かれるかもしれません。これが「オーラル・フレイル」という新しい概念で、普及に向けた啓蒙活動が展開されているところです。

オーラル・フレイルは直訳すると「歯・口の機能の虚弱」です。

​全身的な虚弱に至る過程には、足腰の話と関連していますが、骨格筋が弱まること(加齢性筋肉減弱症(サルコペニア))と考えられています。オーラル・フレイルはその虚弱に至る過程のさらに前の段階で歯・口の機能低下が深く関係しています。

どういうことかというと、歯・口の健康をおろそかにすると、噛む力や舌の動きが悪くなり、栄養摂取の面で支障をきたします。さらに、滑舌が悪くなることで人との交流を避けるようになり、家に閉じこもりがちな生活になったり、生きがいを失いやすくなったりします。

​オーラル・フレイルはこうした歯・口の機能低下から始まる、低栄養・身体機能の低下、社会性の低下、精神性の低下、そして虚弱な状態に陥る一連の過程に大きく関わっています。

つまり、虚弱化の予防には「歯・口の機能」がとても重要なのです。

寿命や高齢者の健康と歯・口の健康への関係を調べた研究でも、
・歯の本数が多いほど、生存年数が長い
・歯の本数が多いほど、また義歯による機能回復をするほど認知症の発症が少ない
・歯を失い、義歯を使用していないと転倒リスクが高まる
など多くのことが実証されています。

虚弱化を予防し、より豊かで健康な人生を送る為にも、これからは足腰のトレーニングに加えて、「歯・口の健康」にも予防的に取り組んでいくことが大切です。

一般的に、なにかないと行きたくないと思われている歯科医院ですが、ぜひ健康な人生を送るために歯科医院での定期的なクリーニングをおススメします。